服部 剛第二詩集『Famila』/渡 ひろこ
 
品である。

  車に跳ねられ/長時間の手術を終えた後/息子が横たわるベッドの傍らで/
  涙を堪えながら母は/布団の脇にこぼれた手を/握りしめる/

  消灯時間を過ぎた夜更けにも/闘いの後の休息に瞳を閉じた/
  息子の寝顔をみつめる母 に宿る/マリアの面影/
                          (「Maria」より抜粋)

実は服部氏曰くこの詩の題材は、昨年息子が交通事故で重傷を負ってしまった私をモデルにして書いたものだという。
私に聖母マリアをイメージして頂いたとは何とも恐れ多く、服部氏の中で私がかなり美化されている傾向も否めないが、
それでも私共親子
[次のページ]
戻る   Point(7)