服部 剛第二詩集『Famila』/渡 ひろこ
親子に心を寄せられて、作品として書いて下さったのは、詩友として嬉しかったし有り難かった。
最初にこの現代詩フォーラムで「Maria」を見つけた時の感激は、今も忘れられない。
それは同時に他人の痛みを我が事のように思う、服部氏の柔らかな詩人としての感性が、光を放つ瞬間でもあったと思う。
その光に照らされて、息子も奇跡的に健常者と同じ身体に戻ることができたと言っても過言ではない。
服部氏の持つ、それこそ神々しい詩の祈りのおかげだと今も感謝している。
さりげない日常に深い慈しみの目を向けて、そこから掬い取る人の心の機微。
それらを優しく織り込んでいる作品の数々は、静かに胸に沁みてくる。
服部剛氏第二詩集『Familia』は、文字通りこの詩集を手に取る人々が、
いつの間にか「家族」のような温かい潮流に浸れる、慈愛に満ちた祈りの一冊なのである。
戻る 編 削 Point(7)