lit/竜門勇気
群小を見るたびささやかな優越感を得ていた。酷く似た物の間で俺たちはまだお互いが違う存在だと根拠の無い確信を感じていた。それが生きるうえで重大なことと思っていたのだ。
小規模であれば。集合の統率に保証があるならば。
デメリットを感じる個性を持たなければ、共産主義も悪くない。事実この家の中は両親という世界を統べる者と共産主義者の楽園となっていた。
まあ、俺たちは資本主義によって培養されている菌のコロニーのようなものってわけだ。
しかしそれはある種理想の世界だった。
理由はいわずもがな・・・もがもが。
問わず語りが長くなった。
もっとも語るべきことを記そう。
そのような日々が
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