続・素顔同盟/不可思議/wonderboy
々は使いこなせるようになっていた。
そのかいあってか、この10年間、人々の間で争いとよべるほどの争いは起きていなかったし、それどころか、街中でけんかするような輩さえ俺は見たことがない。
俺がまだ小さくて、もの心も付いていなかった頃は、素顔同盟原理主義という地下で活動する団体が何度かクーデターを起こそうと、大学をバリケードで封鎖したり国会議事堂前を長蛇の列でデモ行進したりしたこともあったが、もはや世界的規準となろうとしていた仮面社会の前に屈せざるをえなかった、という話を親から聞いたこともあった。だがそれも今や、昔の話だ。
仮面の技術が進歩すれば進歩するほど、この国は豊かになっていくと誰もが信
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