ベルリン/モリマサ公
されていくたくさんの区画に
早送りであたしたちの屋根に色がぬられていく
飛行機の上から放射線状にのびて行くひかりの中心
都市はまだ開発がおくれたまま
いくつもの空き地に草が茂る
東西に区切られた過去を忘れられない
未開の湿地帯をえんえんにわたりつづけて鳥たちが巣をつくり
えさをはこび
抱きしめられたことの無い子供たちが鳴いている
もうやめることなんかできなかった
あたしたちが加速して行きながらいつのまにか泣いている
粒になって落ちながら
あたしたちはまた乾いて揮発して空に戻ってしまう
何枚も写真を撮られていくセカイ
いつか燃えてしまう記憶たちが染み込んで
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