現代詩を書いたわけと書かなくなったわけ/KETIPA
 
現代詩以前にも詩は数編書いていた。


今読み返してみれば、季語ならぬ詩語を並べて詩風にしただけの取るに足らないもの、もしくは、単に思ったことを少しひねた言葉にかえただけのものでしかない。いわゆるポエムと大差はなかった。


吉増剛造さんの詩がそれを変えた。


それは今までの狭い詩感を完全に変えた。現代詩が追加された。なんだこれでよかったんだ。文法を捨てるのに抵抗はなかった。


それ以降の詩は、文法を崩し実験的な表現を試みるものになった。もっともそれまでにも、多少言葉の配列を崩そうとしたものもあった(「ColdBark」など)ものの、それがより先鋭的なものになった。

[次のページ]
戻る   Point(0)