夢つばめ/恋月 ぴの
駅東端の改札を抜け昔ながらの踏切を渡ると
南口商店街の低い軒先を飛び交うツバメ達に出逢った
桜は散ったばかりだと思ってたのに
あっという間に日傘手放せない季節となってしまったんだよね
多摩川の緩やかな流れを辿る道筋には
夏らしい季節の花々
たとえばそれは紫陽花であったり
花屋の店頭に盛られたグラジオラスの鮮やかさ
半袖よりもノースリーブの甘い仕草を
そしてレギンスを脱ぎ捨てた素足に水玉模様をつっかけて
習いはじめのパン作り教室へいそぐ
あのツバメ達って
どこから飛んできたのだろう
パソコンとかでぐぐってみれば答えは容易く出るのだろうけど
あえてぐぐらず
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