詩の場に願うこと/白井明大
く、いい詩に感じる。
そのときその詩は、ふっきれたようにみずみずしく、うまれたてのまま、ずっとずっと時を超えて、あざやかに詩としてある。
それは、だれにも気づかれずひっそりとあった草花の、目をこらしたときはじめて気づく、初々しい緑のうつくしさのようにあることがある。
こころの動きそのままを、じぶんだけのひっかかりとして書き表わすことは、時に勇気のいること。
その勇気をふるわせて、ことばにし、詩として発したとき、それが、どこかことばに、言い切りのできない、とらえどころのないような印象があるとき、その詩が本当に、初々しい緑のうつくしさを放っていることがおうおうにしてある。
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