詩の場に願うこと/白井明大
(ただ、詩は、こころの動きを表わすものばかりではなく、それ以外のものもある。
詩には、こころの動きを表わすものとは別のものも、ある。
どちらかが詩で、もうかたほうは詩じゃない、ということもなく、どちらも詩で、それぞれの詩がそれぞれの人にとってだいじ)
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こころにもいろいろとあって、そのなかの、ふだんは気にもとめないような、時とともに流れ去っていくような些細な、こころとも意識されないくらい微小な動きが、とくにすきだ。
湯のみでお茶を飲んでいて、すっとテーブルから持ち上げたとき、湯のみの下になっていたところに水滴がついていて、つい手のひらでぬぐい
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