名前/葉leaf
名前すら失ってしまった。「私」は存在の角度として分掌され、声紋の結び目に成り下がってしまった。すると、私の存在は速度を失い停止した。私はもはや外部に到達できず、地面を打ち鳴らすことも友人と名前を交換することもできなくなってしまった。ただ、私の停止した存在の内部では、名前の社会が、名前の階級と房を作っては、速度の名前を継ぎ合わせていた。そこから連鎖した「私」という名前の名前、つまり「私」という名前の存在の速度が数でできた斜面を開き、「私」が私の存在の外部へと潜行することで、再び「私」が私を韻律で囲み、私は存在の速度を充填して外部へ到達できるようになった。
罪を重ねた温度の名前が増幅する大陸の、稜
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