目蓋沸騰寸前夜/或る女の子
 

まぶたを閉じると幾重ものプレパラアトが幾重もの君を幾重にもして
毎晩夢の中へ押し込んでくる
光など もう射してはくれない道を歩く 
凝視したってみつからなかった
君はとても軽薄で精子しか私に入れなかったのに
私は目で幾枚もの君を採り
凝視/しては見つけ出そうとしても見つからなかったのはそれは
真実として一番上のプレパラアトに採られた / 収穫アリ
そしてこの残像の行方は
こぼしてしまいましょう
そして拾った猫がいつか君に出会うとき
君は誰でも抱くから
プレパラアト
他の女を抱く君を夢で見れる
そしてようやく憎めるのです
ようやく自己愛だった愛情を消せるのです

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