荒地にて/徐 悠史郎
ージ・W・ブッシュJrさん(57)を非難したところで、湾岸戦争で油まみれになった水鳥を憐れむぐらいのことにしかならない。この場合わたしたちは、すべての問いと疑いを封印し、そのなかでなお問いを解き放とうとする自由な精神を白眼視し、疎外しようとするファシズムを、批判するべきである。
そしてまた、荒地派も戦中から戦後にかけて発生したひとつのグループ(ただし、後進に大きな影響を与えた)に過ぎない。そこで現れた数々の主張もまた、問いの対象であり、現在という円錐の頂点から、いや逆に現在を円錐の頂点と意識するには、それもどんな円錐にするかという問いの水脈を含みながら、批判的に、飽きることなく幾度も捉え返す必
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