荒地にて/徐 悠史郎
 
           (北川『荒地論』43頁)


 現代文明に対する「反逆的意志」がどのように現れたのかは、個々の作品内部において示されていた。それについては多くの論考がある。彼らが具体的な反戦行動(なんども言うが、詩の意味での)を取ったかどうか、実のところまだ調査不足でなんとも言えないが、ただ、『死の灰詩集』に対して鮎川信夫が(まさにみずからが拠って立つところの「荒地」という視点から)「ぜったいにアンガージュしない」という立場を貫き、また批判的に言及していったということからもうかがえるように、この「反逆的意志」という志向性は、(同人誌「荒地」が解体したあともなお)強固で、徹底したものであ
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