貞操帯/Tama
 


「そういえば、約束もそのときにしたんだっけ?」
俺も彼女が見ているであろう窓の方をみて、そう聞いた。
「えぇ、初めてこの部屋に入る前にそう約束したわ」
彼女も窓の方を見たままそう答える。

「そっか」
「そうよ」

その会話を最後に、何分の沈黙が流れたのだろう。

気づけば二人は寝巻きに着替え、床についていた。
二人は並んで布団に入っている。
そして、天井を見つめながら彼女に問いかけられた。

「ねぇ、貞操帯って知ってる?」
俺は驚きのあまり彼女の方をみて答える
「ああ、知ってるよ。でもどうして?」
彼女も俺の方を見て続ける
「付けてみない?」
声のボリ
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