それから俺は3分ほど何も考えなかった/ホロウ・シカエルボク
何を学んだのだ、とチャーリー・ワッツのハイハットが何を奏でるでもない俺の両手に問いかける、ツツタン、ツツタン、と、俺は彼のリズムを口ずさんで何も聞こえない振りをする、生真面目なイギリス人とややこしい話なんてする気はないね…俺の通っていた小学校は校舎が新しくなり、面影をほんの少ししのばせるだけになってしまった、校舎の死、と俺は口ずさむ、もう19回は繰り返されたアンダーマイサム、神話についてはもう誰も話しかけては来なかった、把握出来ないところまで行ってしまったからこそそれは神話と呼ばれるものなのだから
不自然なくらいスタイリッシュに再構成された駅の、高架に切り込むように夕日が沈んでいこうとしている
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