ひとつずつ死滅する暮れ方からのアルペジオの残響/ホロウ・シカエルボク
いて…死が存在しない時間など無いのだ、どんな世界を生きていても…俺は確信を持たない
確信はあらゆる関節を錆びつかせてしまう
夜、道端のわずかな草むらを騒がせる姿の見えぬものたちの蠢きを聞きながら、飛散した円環が冷たい床を鳴らしつづけるような、生命のざわめきを聞いている、生かせてくれるか、俺を生かせてくれるのか、僅かに冷却の余地を残した、まだ僅かに冷却の寄りを残した時の幕間…細かく爪弾かれる弦楽器のように積み重なる―確かに調子を強くしながら
俺の唇はいつでも水を求めていて、死ぬことを怖れている、満たしてくれ、満たしておくれよ、俺の営みに手を貸してくれる者たちよ、俺はいつでもその音を聞いていたい
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