よねたみつひろ氏『鬱曜日には花を刈って』によせて/ふるる
いらっしゃったらしいのですが、同詩集では難しい漢字や「耳たぶの岬を ひとむれの蟹が離脱する」(『童貞詩集』「砂のひとへ」抜粋)といった象徴的な、イメージの炸裂する作品を書き、その後は「『現代詩』的な構文への反発」があり「短く、平明で、身辺的」な詩を書き(2)、数年前は「そろもん」シリーズとして五行詩を三年(!)に渡りおよそ千作もの膨大な量をかいておられます。「そろもん」シリーズは寓話的であり、かつ美しくも哀しくも面白くもあり、作品は年を追い、短くなるごとに凄みというか濃度がさらに増している気がします。高い技術をお持ちであるのに(あるからこそ?)一つのスタイルに甘んじないみつべえさんは、この詩集の姿
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