よねたみつひろ氏『鬱曜日には花を刈って』によせて/ふるる
 
の姿と同じに「満足できるということはない」「追い続ける人」なのだと思います。

 さて、話は続きますが、詩集『鬱曜日・・・』の冒頭にはこんな言葉があります。

父さん あなたの
ふところに育った鳥たちを
ぼくは撃ちおとしてしまった
鬱曜日には花を刈って
もっと荒野を広げましょう

この詩集の姿を「追う人」と考えてまたまた勝手に書きますが、「あなたのふところに育った鳥たち」とは、今まで大切にし、育んできた詩や詩の方法なのかもしれません。「ぼく」はそれを撃ちおとし、花を刈り、荒野を広げる。鬱曜日には花を買って部屋に飾って心なぐさめる、という人よりは、花を刈る人の方がかっこいい
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