よねたみつひろ氏『鬱曜日には花を刈って』によせて/ふるる
ら、作品自身さえもどこかへ連れて行ってしまうような風なのかもしれないけれど。いかに「かんまんな幸福がつづいて」いようとも、ここは荒野なのだから勝手に吹いている風、終わらない風、なのかもしれません。
最後に、「そろもん」シリーズで私の好きなのは、(探索の話)なのですが、全文引用させていただきます。
そろもん(探索の話)
本屋には 本がいっぱいあるのに
もうあれもこれも 読む時間がない
知命の午後の やわらかい光のなか
きまって本棚の隅に 咲くという
まぼろしの詩集を さがしている
詩を好きな人ならば心の中に、「自分のうまく書けた詩ばっかり入っている詩集」とか「自分
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