映画日記、ただし日付はてきとう3/渡邉建志
 
後ろから光がスクリーンへ射している。この構造は、リュミエール兄弟が100年前にパリのグラン・カフェ地階で試写会を初めて行ったときから、変わっていない。この中でこそ、映画を見てほしい。と。映画は映画館で、というこの教訓は、何の理由付けもされないまま僕の前に提示されたので、僕はまったく納得ができなかった。後になって痛いほどよくわかったのだけれど。
今の考え。スクリーンとテレビ画面の違い。1.大きさ。注視するものを選択できること。主体的体験。2.反射光と直接光の違い。テレビの直接光を明るい部屋の中で見るときに、微妙な色の差や光量の差を知覚することは難しい。微かな反射光を映画館の暗闇の中で見るとき、僕ら
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