俺のアッパー・カットはすごく下から/ホロウ・シカエルボク
 
は鼻で笑って周囲をちょっと確かめた後、もときた暗がりの中へ走って消えていった
俺は起き上がれないほどのダメージを楽しむことにした、冷えた土の感触が頬に気持ち良かった、しばらくそうしていたが突然額に濡れたタオルが当てられた、俺は間抜けな声を出した髪を短く刈りあげた痩せぎすの女が俺の顔をごしごしと拭きだした「あんた誰だい?」「いいから静かにして」
彼女は俺の上半身を難なく持ち上げ、服の砂を払った
「立てる?手を貸すわ」
「手際がいいな、看護婦か?」
「そんなようなものよ」
そんなようなものか
彼女の言葉はまがいものについて話してるみたいに聞こえた「ちゃんと手当てするから私のうちに行きまし
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