俺のアッパー・カットはすごく下から/ホロウ・シカエルボク
 
小鼻が膨らむ
「清く正しく生きる為に異教徒を殺すんだ」
「神を冒涜するやつはただじゃおかない」
「俺も今ちょうどそんな気分だよ」
俺が喋り終わらないうちにやつはジャブを打ってきた「おい!」
「ルール違反だ!」
「長くなりそうだったからな」
男はタイソンではなかったがそこそこのボクサーだった、俺のパンチは一発も当たらず、ヤツのパンチはすべて俺のどこかを捕えた、俺はほどなくノックアウトされて地面に倒れ込んだ
火がついたみたいに顔が熱かった「どうだおっさん」男は息も切らさずに言った
「神の裁きは抜群に痛いだろう」
「ぼうや、お前の名前を教えてくれよ、教会に請求書を送るから」
男は鼻
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