俺のアッパー・カットはすごく下から/ホロウ・シカエルボク
 
少し嫌な予感がした
―仲間の待ってるところへ行くんじゃないのかな、一人の落第者を切り捨てる為に?
すっかり改心したマイク・タイソンなんかがどこかの角に身を潜めていて
飛び込んできた俺に向かってハリケーンみたいなパンチの雨を降らせるかもしれない、まあ、タイソンなら
負けてもそんなに恥ずかしいこたぁないってことだよな
ヤツは勇敢だった、郵便局の横の
街のどんづまりの空地で足をとめて振り向いた
「不信心なおっさんには罰を与えないとな」にやりと笑いながらファイティング・ポーズ「神の名において」息を整えながら俺はやり返した
「二百年も戦争したりするのはお前みたいなヤツらなんだろうな」男の小鼻
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