俺のアッパー・カットはすごく下から/ホロウ・シカエルボク
 
は思わないけれども
俺は口の中に溜まった唾を吐いて彼に話しかけた
「学びを得ることが出来なかったやつは切り離すんだろう?出来の悪いものは完成を待たずに壊しちまうんだろう?「そんなことはありません」
「学ぼうとしさえすればそれでいいのです、それだけで」
「我々は箱船に乗ることができます」
俺は電話を切った、判った、判ったよ
あんたの神様とやらは他人の話を聞くことを教えてはくれなかったんだな
携帯のフリップを閉じてポケットに滑り込ませた時
一台のジャガーがタイヤを激しく鳴らしながら俺の立っている歩道に突っ込んだ、俺は街灯の後ろに逃げ込んで事無きを得た、どうだい、学びがなくても人は生き抜
[次のページ]
戻る   Point(5)