生きていることのめぐりを感じる詩集 続 安藤元雄詩集/イダヅカマコト
てみればおれも幼かったわけだな
幼くて 無防備で ちいさかったことといったら
ちょうどあの野鼠と同じくらいか
それよりいくらも大きくはなかったろう
祖母もまた無防備で小さかった
いつも自分の部屋の暗がりの中にいた
だからあの歌を俺は覚えたのさ
野の中で出逢った一匹の鼠をおぼえたように
『野鼠』より}
「幼くて 無防備で ちいさかったことといったら/ちょうどあの野鼠と同じくらいか/それよりいくらも大きくはなかったろう/祖母もまた無防備で小さかった/いつも自分の部屋の暗がりの中にいた/だからあの歌を俺は覚えたのさ/野の中で出逢った一匹の鼠をおぼえたように」
という最後の
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