祝辞/れつら
ぽん、にじっぽん、よんじっぽん
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せーの、で
さよなら
できなかったのは
なんでかね?
顔のひだりがわは笑い事に怯えて
みぎがわは悲しみにくすぐられてる
はなはどっちに行ったら良いかわからずぴくぴく
口ではあうあう
舌が唾液にまみれてひとりでフレンチキスするみたいに
霞を食ってまた何事か呟く
それにしてもいまだ
からっぽの体内転がしながら
明日には発つって不思議ね
夜でも、夜じゃなくても
光が跳ね返って目が痛い
目だけじゃなくからだじゅう痛い
それよりいちばん遠くで
なにより輝く星が痛いよ
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