祝辞/れつら
 

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一応、想定してた未来では
僕はあなたを置き去りにして行く予定で
その残酷さに泣いたことも幾度も

けれども実際はといえば
どこへ旅立っても、置いてけぼりを食うのは僕
なるべく遠くにいこう
でももうあきらめた
ここから宇宙の果てですから、とかなんとか
呟きながら中指で窓を開けて
薬指は水滴まみれ
ほかの指は?
あいかわらずふらふら、よかった
指輪をしてたのは一本だけだった


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明日も
無事に心臓が動いているなら
ひどいって思う
リアルタイムに道端の草いきれが伸び行くのとか見えまくり
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