ふだんのひと/恋月 ぴの
が良妻としての責務なら
せがむ女の可愛らしさを捨ててはならない筈だから
ちょっと濃い目の寝化粧とわざとらしい言葉尻でそそり
まぐろを決め込むあなたのパジャマを脱がす
押し倒してなんかくれないよね
半勃ちのペニスに軽く口付けすると私は体を入れ替えて
潤滑ゼリーを膣襞に忍ばせる
コンドームと潤滑ゼリーに支えられた二人の愛
それぞれがそれぞれのためにと
忙しいままに腰を動かせば
それに呼応してそれらしき甘い声で答えてみたりする
どうなんだろうね
それぞれがそれぞれのためなんて陳腐な思いやりは捨て去り
好き勝手、自由気ままに生きてゆく
それこそが真実の愛
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