形容詞警報/しろう
警報から逃れる方策を見つけかねているようなので、あまのじゃくは立ったまま起きているふりをしながら眠っていたら車掌に声を掛けられるまで終点に辿り着いたことに気付かずすでに終電はなく、トイレの個室(洋式)で夜を明かそうと試みるに巡回の駅員に追い出され、屋根はあるが寒風吹きすさぶ改札前のベンチでうなだれてみればホームレスであろう聾唖のおやじに話しかけられ(「聾唖」といえど耳は聞こえているようなので本当は「唖」と表記するところだが「唖」単体になると差別用語と見なされるらしいので避けるべき)、手話を習得していないあまのじゃくはボディランゲージとして解釈することを余儀なくされるが、異国人との片言のコミュニケー
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