鮮やかな薔薇が浄化する姿を/ホロウ・シカエルボク
ゆらと頭上へ伸ばしているんだ、ハレルヤ、ハレルヤ、グロゥリィ…どんなことの為に神を信じればいい、どんなことの為に俺は信仰を掲げればいい?赤ん坊の背中に開いた大穴の為に…?馬鹿なことだ、俺の背中に、それがないなんて、俺は一度でも口にしたのか?俺が泣けないものでないなんて、いつ口にしたというんだ…?性急な、蛇のような…おぞましい唇の魚が海底を突いている、あいつは何を食っているんだろう…俺にはその口もとまでは見とめることは出来ない…ただそいつが砂に一撃をくらわせるたびに、何かの痛みが、そう…何かの痛みが右腕あたりを駆け上ってくるのが感じられるだけなのだ……見えないところで何を見ている?見えないところで何
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)