二千九年、LOVE/捨て彦
問われると、何所とは一様には云えないが… …」
「如何いう事だよ。少なくとも僕はそういう認識は無いけれど。昔の侭でありたいと思ッているがね。傲慢を戒めている。昨今は水知らずの人間には冷たい世の中だが、断じて僕はそうはありたくない。此の気持ちは昔から変わらないよ。例えこの思想が青臭いと人に云われようともネ」
「イヤ、君は何も変わッていないよ、多分ね。其れは分ッている。君の友人として、其れは僕が保障しよう。其れはそうなのだが、僕が云いたいのはそう云う事ではなくて…。……。ウーム、なんだか自分でも何を云ッているのか分らなくなッてきた」
「可笑しな事を云うナ君も」
其処でナンシイは酒を一気に飲み干
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