二千九年、LOVE/捨て彦
 
上、場の収拾が付かん」
「確かにネ。其れに僕は最近はこうやッて少人数でチビチビやるのが気楽で好いヨ」
伊藤はオットット、と感謝を述べながら注がれた酒に一口付けた。
「思えば最初はこれくらいの面子でやッていたんだよなア。此の家を譲り受けてからは急速に人が増えていッたが、最近は思うように面子も揃わなくなッてきた。マァ皆まがりなりにも年を取ッて、其々段々とシガラミが増えて忙しくなッたと云う事か。」
「僕たちは何も変わッていないがネ」伊藤が直ぐに反論する。
「変わッてないモンか」
「そうかな」
「ウム。矢張り少しずつ変わッている気がするヨ。」
「どの辺がかね?」
「ウーン。そう改めて問わ
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