二千九年、LOVE/捨て彦
たナンシイが気ダルそうに云ッた。其れを聞いた芙蓉が小山に直ぐ茶々を入れる。
「アナタ、猫被ッてるんぢゃないわヨ」
「被ッてマセンヨー」
赤ら顔の伊藤は暫く続く二人の漫才を聞きながら、今日欠席した連中から届いたメイルに眼を通している最中である。
「誰か連絡寄越していたのかい?」
コレマタ赤ら顔で好い具合のナンシイが、云いながら伊藤のGlassに酒を注いでやる。
「イヤ、岡君と海田君が、今日は欠席スルと」
「アアそうなのか。併し今日は丁度良かッタ。面子も少ないから新入りさんとも好く話出来るからネ。賑やかなのも好いには好いが、あまりにも人が多いと皆とCommunicationが取り辛い上、
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