二千九年、LOVE/捨て彦
い。伊藤、ナンシイ、橋田、芙蓉は何れも此処から徒歩の範囲に自宅があり(伊藤と芙蓉は同居して居る)又其の安心感が彼らを最終組にさせるのは至極当然の事である。
小山リコは芙蓉と同じ習い事、運動太極拳を習ッていて、其処で二人は一年前に知り合ッた。芙蓉の方が半年早く習い始めたものの、その後に入ッてきた小山とは境遇が殆ど違わないという事も手伝ッて気があッたのだが、実際は芙蓉と同様、小山も元元この会合の連中に合う気質を持ち合わせていた様である。流動する事の多い此の会合では、一度きりの参加で終わると云う事も多い中で今回の会合は大成功だッた。伊藤らも特に気負ッたりせずとも極自然に場を共有する事が出来たのは、矢張
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