修羅を読む(10)/Giton
霊などが宿るなどして妖怪化したものの総称」(Biglobe 百科事典)とあります。
賢さんの詩では、「喪神」は散見する語ですが、例えば、詩「春と修羅」には、
「喪神の森の梢から
ひらめいてとびたつからす」
のように現れ、「溶岩流」では、
「喪神のしろいかがみが
薬師火口のいただきにかかり」
のように、薬師岳の中腹から見た・おそらく晩秋の太陽を「喪神のかがみ」と表現しています。どちらの例も、「失神、放心」の意味で理解することはできますが、「付喪神」の語義を重ねてみると、さらに心象に近づくようにも感じられるのです。
いずれにせよ、上に引用した「か
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