冷たい戦争/遊佐
*
世間は三連休で、海へと続く国道は、何処もかしこも車が溢れていて、どんなに急いでみても渋滞に阻まれ君の元に上手く辿り着けない
募る苛立ちは煙草の煙となって空に溶け込んで行き、延びて行く車の列と増えて行く吸い殻の山は、溜め息の数ばかり増やして行く
ふと見上げれば、
空は快晴
各々のバカンスが何処までも広がって行くかの様に、様々な青を抱いて描かれた休日
こんな日にさえも、
僕は都会を丸ごと移したような渋滞の真ん中に、無駄な時間費やして、また人生棒に振るんだなと苦笑いを噛み締める
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気を紛らわそうとつけたラジオのFM放送は乾いた声で
他国の内戦を鮮明な声で無機質に伝える
ふうん、そうな
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