死人(しびと・Emによるテンポ・ルバート)/ホロウ・シカエルボク
方を忘れてしまって今夜はたぶん痺れたみたいに目覚めたままでいるんだ、意識をねじ伏せようとするみたいに目を閉じて―それが知らない間に終わるのをきっと待っているんだろう、必ず訪れるものが望み通りに訪れることなんてまずない、俺はバランスを崩して―断続的な要領を得ない意識のカレイドスコープの中で濁った夢を飲む…夢の中のゴーレムはいつでも俺を叩き潰そうとしていて―強い意志を語る握りしめられた拳に俺は脅威を感じて―脅威を感じて誰も居ない夜の街路を疾走する、セーヌのほとりを走るドニ・ラヴァンみたいに
「恋はみずいろ」をハミングしながら大男は俺のことを探している、ビルの陰に隠れてしまえばやつには絶対に見つけるこ
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