赤い砂漠/手乗川文鳥
 
らざらしているのですね、
曖昧をどうやって愛すのだろう








群青の海と褐色の砂浜で
少女が一人で遊んでいる
駆け出しながら服を脱ぎ捨てて
少女は躊躇いもせず海へ飛び込む
誰もいない海と砂丘で
どこからかソプラノが聞こえる
誰もいない海と砂浜で
どこからかソプラノが聞こえる
誰もいない海を囲む空からも誰もいない砂浜から続く森からも
ソプラノが聞こえて
少女は塞がれていく




現実はとても白い、
私の眼差しを、
貴方は汲み取ってくれるのですか、
私の手から、
貴方もこどものように離れていくのですか、
溶けてしまった質疑応答から
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