遊戯/汰介
 

私は、二日酔いと、メモの汚い字に振り回されている自分に、
少し苛々し、ちっ、と舌打ちをした。
その時、すれ違い様の営業風の男の鋭い、人の関心を惹く様な視線を感じ、
何かしら私の気持ちが引き、少し憂鬱になるのを感じた。
仕方無く時間潰しに、目に止まった喫茶店へと入った。

中は冷房が良く利いており、汗が退いていくのが感じられた。
その店内はコーヒー豆の挽いた匂いに満ちており、それがやけに鼻に付いた。
私は、夏の暑い時だと言うのに、何かが憑いたようにホットを注文し、
椅子に深くもたれてほうっ、と溜息を吐いた。

しかし落ち着く暇も無く気配を感じ、その方向に目を向けると、
果し
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