「反比例」/パール子供
顔でどんどんとやってくる、
「これではせっかくの大切なものがだいなしじゃないか」
砂嵐のようにざーざーと泣く雑音がなつかしい無線機の中から
流れてくるタンパクな声、
それは多分きっと君の声で、
きっと、うんと先のミライから
わずか数秒のあいだに届いた君からの僕への助言のようなもの
で
平静とクールを気取り何らかの緊張との狭間で僕は産声をあげ
るようにして応答を返した、
このままでは僕は正気を失ってしまう、この先僕はどうなるのかね?」
背中合わせのミライはいつも僕には抱えきれないほどの自由をくれる
「こんにちの君はとても穏やかにすごしているようだ」
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