「反比例」/
パール子供
日当たりのあまりよくない台所の換気扇の前に立ち手をのばしスイッチをONにする。
ちょうど目の前には小さな窓があって、そこから見えるなんのへんてつもない白昼の町並みを緑茶をすすりながら眺めてる。
窓の外の梅の木が今日も春と平和の最中新しく笑ってみせ、いつもと変わらない常連たちを肩にのせ何のへんてつもない日常をすごしている。
マルボロの煙が換気扇にひょろひょろと次々に吸い込まれゆく。
僕はなにか反比例なことをしている気がした。
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