「反比例」/パール子供
 
う関係のないこと。海の匂いを、ぼーと鳴く
貨物船の音をたよりに、まっすぐと歩いて行くと決めたんだもの

キゲンの好い父の笑った顔が頭に浮かんだ、

「みんないなくていいのに」

そんな悲しいことを一人呟いていると

小学校のクラスメイトが一列になって対向をあるいてきた

みんなそれぞれの大切なものを大事そうに抱えてどんどんやってくる

「ここからは最後尾は見えない、列はまだまだ続いてるみたいだ」
「気をぬくんじゃない、そこからなにかを見つけるんだ」
「現実は靄でしかない、心でよみとるんだ」
「過去を泳ぐんじゃない」

それなのにみんな葬式のときみたいな悲しい顔で
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