シェリフ、嘘っぱちの銃を/ホロウ・シカエルボク
みたいな夜には
イーストウッドになり損ねた冴えない保安官、お前のリボルバーが錆びついてしまったのは何故だか判るかね―?
お前の指先には憎しみの影すらないからだよ、お前の心はお前のシナリオより高い所に出てくることがない
俺の風穴に栓を与えてくれ
この部屋の静寂に致命傷を
叶わぬ瞬間を求め続けることに俺は退屈してしまった
時には憎まなければ清らかな心など持てるわけがない
スパイスで済まないほどのそれを俺は長く抱え過ぎてしまった、保安官、保安官
ダブルアクションでこの部屋の好きな所に破壊のファンファーレを
激流、にも似た無益な夜、俺はただ飲み込まれてゆくだけ
阿呆みた
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