シェリフ、嘘っぱちの銃を/ホロウ・シカエルボク
がそこにある
カーテンの向こうにはもう何もないみたいだ
苛立ちと名付けるほど浮上してこないそれは
流れの途絶えたルートで腐敗する地下水みたいだ
ローカル・チャンネルのムービー・ショーはお目汚し以上の意味を持つことはなく
どんなに長けた声優の日本語も口元とずれて聞こえる
火薬の色が甘過ぎるガンが誰かを捕えた時
結末を知る理由などもう無いと悟った
イーストウッドになり損ねた冴えない保安官よ、ここへ来て曲撃ちのひとつでも披露しちゃくれないか
小銭を沢山溜めて俺は待ってる
お前の嘘っぱちのリボルバーが俺の風穴に栓をしてくれるのを
お前の嘘っぱちのリボルバーが
この部屋の静寂
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