研究「緑川びの」(3)/生田 稔
弄び
朝の気配
取り残された満月
肉壁の輪をくぐり抜け
先っぽから一滴
斜光に垂れて
舌根に絡む
ほろ苦き
先ばしり愛
君は誘う
悦楽へのセレナーデ
満月は
紅い口腔
蠢かせ
しどしどと
濡れる行間ゑ
終わり無き愛咬
破裂しそうに
膨れる刹那
噴きだす
白い波
にほふよ
私はこの作品に渾身の力を込めて評したい。現代の若者はどう思うかわからないようなこの作品をよく読んでみるべきである。私は中学二年の時、真新しい学級机の上に同心円と縦棒と草による女性性器を彫りつけて先生にこっぴどく叱られた覚えがある。なぜあんなことをと今振り返ると、笑いで済ませない、人
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)