血/ふるる
 
ひとりのおんなの形をしたいのちが
染み付くほどあかい
燃える野に立ち
斜めになびき

腹に手をあてて
まだ完全にはにんげんでない形をしたいのちが
ここにいるとは
とうてい
とうてい

夕暮れが
隅々のものを引き連れて夜になる
熱っぽいだるい眠りに引きずられる身体
あかい血増え続ける身体
これはだれの身体

ひとりのおんなの形をしたいのちは
ひとつの器となり
いのちを
鋳型にはめる
魚や
鳥や
獣の
可能性を丁寧にそいでゆく

このこはきっとおんなです
すでに卵巣と卵子を持たされて
透明な自分の身体をさぐり
腹にちいさな手をあてていることでし
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