血/ふるる
でしょう
このこはきっとおんなです
子孫を残すためには
他のおとこを受け入れ
いずれひとつの器とならねばなりません
そしてひとつの器となれば
身体を変えあかい血を増やし
いのちを
鋳型にはめることでしょう
おそろしいけれどおかしいのよもう
いつの間にか
はじまってしまった
はじまってしまった
あの繰り返し
あの繰り返しが
腹に手をあてて立ちすくむ
おんなの瞼にまだ染み付いている夕日は
誰かの身体の中の
あかい血のように
あたりいちめんを浸したままである
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