楽しいお墓/
 

お前の作った煮込みを食いながら見る
お前の肩を肩に感じながら
まだ固いジャガ芋をほうばる
モニタに映るのは少し悲しい話だったので
お前は涙ぐんでいる
俺はじゃまをしないよう
腕をまわし
ぬくもりを確かめた

父親は2ヶ月ほとんど仕事もしないで
石の塊に向かっていた
目は寝ていないのか赤く腫れ
とても小さな老人になっていた
あの子のおかげで遺された家族八人
マイナス20度のこの季節
暖かい家で暮らせるんだ
あの子は私たちの夏だった
太陽だったよ

うとうとと眠ったらしい
目を開けるとお前がいたずらな瞳でのぞきこんでいる
広過ぎると思ったベッドも
二人なら
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