楽しいお墓/
 
なら調度いい
お前はわざとぎしぎしさせた
眠らないのか
もうあなたの前ではね
天使のように唇で俺にぬるいワインを含ませた
ザナス

川も凍るこの地に
燃える髪を広げた太陽
黄色く塗られた墓石に
お前の輝く笑顔が浮かぶ
俺が一番愛していた顔
髪の毛一本一本まで
全くお前だ
たのしいお墓の周りに
親戚中あつまって
吹き出すようなきつい酒を回し
聴いた事のない歌をうたう
白い息をもくもくと
大きな声でうたう
ダバイ ダバイ ザナース
赤ら顔の大宴の中
俺は雪をかぶった杉のようにつっ立ち
十本の指と鼻水まで凍らせて
お前の笑顔に見取れていた

ザナス(注:乾杯)

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