純粋正義への架橋23/チャオ
なんかなくなればいい!
そう思う人もいるだろう。それはそれ。
でも、僕には哲学の本が必要だ。時には大きな枕も必要になるのだから。
そして、時には頭でっかちの言葉の群れも。
抑えきれない感情が僕らの一日を色とりどりにする。真っ暗で何も見えない海。そのくせして、僕の目にはカラーで色彩が広がっていく。
ぼうっと眺めていた僕を友達が呼びかけた。
「ああ」
と僕は言った。そのままかけていった。片手に手にした花火は、ちっとも迫力のない花火だった。かまわない。僕はそれに火をつけて海に放った。
友達はそんな花火を片目で捕らえてビールを飲んでいる。僕は空いてるほうの手でビールをほしがる。誰も
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